白山麓東二口地区「でくまわし」字幕つき上演会 開催報告

2010/03/12

平成21年12月20日午後2時より、金沢大学金沢大学50周年記念館「角間の里」において、白山麓東二口地区「でくまわし」の字幕つき上演会を開催しました。上演演目は「酒呑童子」です。当日は、かなりの積雪がありましたが、会場いっぱいの見学者でした。

以下は上演会を見に来た方に実施したアンケートの結果です。

回答者 22名

1.参加者の性別内訳

      男性 14名     女性 8名

2.年齢

30才以下 9名              31~40才 3名        41~50才 3名
51~60才 5名        61~70才 2名        71才以上 0名

3.「でくまわし」(文弥人形)を見たのははじめてですか?

      はじめて 14名                     以前に見たことがある 8名

4.「以前に見たことがある」と答えた方は、いつ、どこで見たか教えてください。

       東二口 5名   白峰 1名    吉野谷 1名  一里野と美川 1名

5.「でくまわし」(文弥人形)について事前になにか情報を持っていましたか?          
何も知らなかった 11名             情報を持っていた 11名

6.「情報を持っていた」と答えた方は、その内容と入手方法を教えてください。

       白山市ホームページ  3名           パンフレット 3名
人づてに           3名             留学生の授業で1名
新聞で           1名

7.本日の上演に関して(特に字幕付きという上演形態に関して)意見・感想をお聞かせください。
分かりやすく、大変面白かった  13
その他の意見
1.字幕の画面に関しては、もっと見やすいように、画面の位置を上に、バックは黒で、字は白にすれはよかったと思う。
2..原文どおりを字幕にしたことに関して、
・語り手の通りではなく、現代の言葉にしてあるかと思った。
・現代の言葉だったら、面白さも増すと思う。
3.字幕が見えなかった
・モニタの位置をもう少し考えたらよい。ただし、文字を出すのはよいと思う。
・ストーリがわからないと、やはり理解しにくい。 
・あらすじを読んで、集中して見ていると分かった。

 

  まとめと反省点

字幕つき上演会自体は、試みとしてはおおむね好評であったと思われます。ただし、なお、多くの問題点が残っています。
1.原文どおりにしろ、現代語訳にしろ、字幕操作のためにはつねに一名の人員を確保しておく必要があるが、毎回の上演時にそのスタッフを確保できるだろうか?
2.事前の字幕作成作業に非常に手間がかかる。特に、原文を出す場合には、大夫がすべてテキスト通り語っているわけではない、リハーサル段階での調整が必須の作業となる。
なお、これに関連して、上演の際に、詞章がある程度ゆれ動くのは、芸能である以上やむをえないと我々は考えている。ただし、ときに、古典本文への理解不足のために、原文をいたずらにいじって改変している例もまま見受けられた。それらに関しては、今回は、そのまま従ったが、保存会と緊密に連絡をとり、学術的裏付けのある本文作成の努力をしていく必要があるだろう。
3.モニターの位置に関しては、なお検討の必要がある。今回は舞台の幕の下方に置いたが、そのために前の観客にはみにくかったと思われる。また、最良の位置から舞台を画面に残そうとしたため、他の観客にはカメラが邪魔になった面もあると思われる。しかし、その多くは、今回の上演場所に選んだ角間の里の空間的制約によるものである。最良の上演空間はどういうものであるか、なお考慮の余地が残されている。

以上です。
なお、当日までの経緯・上演台本と本来の台本との対比・当日の舞台を収めたDVDを附した報告書が3月末にできあがります。希望の方にはお送りしますので、事務局までご連絡ください。